著者:下村 洋一(医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント)
平成18年4月1日より施行された改正労働安全衛生法では、常時50人未満の小規模事業場においても、過重労働者に対する面接指導が義務づけられました。医師による面接指導の対象者となる要件
具体的に面接指導の実施が義務づけられるのは、次の3つの要件に該当する高リスク労働者です。1 時間外労働時間が月100時間を超えていること
2 疲労の蓄積が認められること
3 労働者が面接指導を申し出ていること
人事として面接時に気をつけるべきポイント
過重労働の面接は、健康診断のように、しっかりしたメニューや対象者が、はっきりと決められているわけではありません。忙しい医師と忙しい社員が、残業と健康というテーマで話し合いをするので、よほどしっかり準備しないと、多くのトラブルと困難を伴います。現在の体調、仕事の状況を医師が正確に把握できるよう、事前にこうした資料を整えておくということが面談を有意義、かつ円滑に行うための大きなポイントです。また、面接指導に従事した者には、その実施に関して守秘義務が課せられます。 面接時に準備しておくべきものとしては、以下のような項目です。
過重労働者への面接指導の意味
面接は病気を発見したり、治療を行うために実施されるものではなく、残業に関する医学的な就業判定をしてもらうという視点が大事です。労働の時間や内容が心身に負担をかけて、体調を崩していないか、メンタルヘルスのリスクはどうか、持病が悪くなる可能性がないかを確認し、問題があれば、治療を強化するとともに、仕事の内容・時間を調整し、適切な措置を講じるために行います。▼ この記事の著者

下村 洋一
医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント
日本大学医学部卒業後、駿河台日本大学病院内科に勤務。東京都がん検診センター消化器科での勤務を経て、銀座菊池病院、京王電鉄診療所と内科医長を歴任。その後、京王電鉄グループ専属産業医となる。1997年には京王百貨店診療所所長を務め、2000年に労働衛生コンサルタント事務所を開業。現在では、大手企業や中小企業の嘱託産業医を多数務める。


